スーパーマーケットは食文化の入り口!? 〜タンネウシコラム9月号

横山 仁美

マヨネーズが入っていない、北海道の冷やし中華

私の隠れた楽しみはいろいろな土地のスーパーマーケットに立ち寄って売り場を覗くことです。普段何気なく買い物をするスーパーですが、店頭に並ぶ商品を見ることで、その土地特有の食文化を垣間見ることができます。私がこの楽しさに気づいたのは、5年前に、生まれ育った札幌を離れて愛知県の大学に4年間通ったことがきっかけでした。

サケの切り身
愛知県に移り住んだ時、スーパーに買い物に行ってまず驚いたのが、鮮魚コーナーに並ぶ“サケの切り身”です。北海道では、生鮭(切り出されたままの切り身)を旬の時期に多くのスーパーで買うことができます。一方、愛知県のスーパーでは、塩漬けで冷凍のサケの切り身ばかりが売られ、旬の時期であっても生鮭を見つけることはとても難しかったです。石狩鍋を作ろうとスーパーに寄ったら生鮭が見つからず、とても困った記憶があります。

お赤飯
愛知県に引っ越してすぐ、お惣菜コーナーに甘納豆のお赤飯を探しに行きました。しかし、甘納豆のお赤飯は見つからず、代わりに小豆のお赤飯が売られていることに驚きました。てっきり、小豆のお赤飯も甘いのかと思って食べてみたら全く甘くなく、愛知県での4年間は、好物の甘いお赤飯が食べられず、とても寂しい思いをしました。

冷やし中華
反対に、愛知県から北海道に戻ってきた際に、気づいたこともあります。スーパーで売られている「冷やし中華」にマヨネーズがついていなかったことです。愛知県では冷やし中華を食べる際、途中でマヨネーズをかけて味を変えて食べることが普通です。このため、売られている冷やし中華には、最初からマヨネーズが同封されています。この食べ方に慣れ親しんでしまったため、北海道で冷やし中華を買って食べたとき、マヨネーズが入っておらず、その代わりにからしが入っていることにとても驚きました。
このように、様々な土地のスーパーを覗けば、その地域の郷土料理や食べ方の違いを知ることができます。皆さんもぜひ、お出かけした際にはスーパーの売り場を覗いてみてください。

タンネウシ9月号(表面)
タンネウシ9月号(裏面)

横山

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