季節限定メニューサケの“ほっちゃれ”〜タンネウシ12月号

季節限定メニュー

サケの“ほっちゃれ”

三浦一輝

サケのほっちゃれ(2019年10月24日、奥蘂別川)

“ほっちゃれ”−繁殖を終えたサケを死骸も含めてそう呼びます。斜里周辺では10〜12月頃に、河岸や河口でたくさん見ることができます。サケはこの時期、産卵のために川を遡ってきます。川を遡ったサケのオスはメスを取り合って喧嘩し、メスは卵を産むために川底を懸命に掘ります。このため、ほっちゃれになる頃にはオス、メスどちらも痩せ細って皮や肉が剥がれ、ボロボロになります。では、このほっちゃれはその後どうなるのでしょう。

“ほっちゃれ”を食べるのは誰?
北海道の川では、ヒグマがサケを捕らえて食べる姿が印象的です。海から遡ってきたサケは、ヒグマにとって重要な食料です。一方で、河岸に打ち上げられたほっちゃれも、他の生き物の食料となることが知られています。では、斜里周辺ではどのような生き物がこのほっちゃれを食べるのでしょうか。それを調べるために、町内の川岸を歩いてほっちゃれを見つけ、そのほっちゃれが中心に写るようにセンサーカメラを4台設置しました。設置から1週間ほど後、各カメラの回収に行くと、カメラの先にあったはずのほっちゃれは残骸だけになっていました。さて、いったい誰がバラバラにしたのでしょうか。
写真を確認すると、オジロワシやキツネ、トビ、カモメがほっちゃれを食べる姿が撮影されていました。カメラのうち一台には、一つのほっちゃれを昼間はトビが、夜にはキツネが食べる様子も記録され、ほっちゃれの人気ぶりが伺えました。
今回、斜里町内で撮影できた生き物の他に、道内の他の地域では、オオワシやカラス、タヌキ、ネズミなどもほっちゃれを食べることが報告されています。また、カメラでは写りにくい、水に棲む昆虫やヨコエビもほっちゃれを食べることが知られています。様々な生き物が棲む斜里では、実際はもっと多くの生き物がほっちゃれを利用している可能性が高いです。

季節限定の大事な栄養源
このように、サケは生きている間だけでなく、一生を終えた後にも、他の生き物の重要な食料としての役割を担っており、特に冬前の大事な栄養源となっているのです。食べられたほっちゃれはその後、食べた動物によって川から離れた場所まで運ばれ、糞などで排泄されることにより、さらに他の生物の栄養となります。このため、川で見られるほっちゃれは、そこで見えているよりずっと広い範囲に棲む生き物にも栄養を供給する大事な役割を担っていると言えます。

タンネウシ12月号(表面)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タンネウシ12月号(裏面)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三浦

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