ヒグマ3Dプリントしてみた〜タンネウシコラム6月号

ヒグマ3Dプリントしてみた

平河内 毅

ヒグマの石偶(右)と3Dプリントした複製品(左)

以前、映画館で3D(スリーディー)上映を体験しましたが、序盤は飛び出す映像に慣れず、スクリーンに酔ってしまいました。それ以来、3Dとは距離をとって生活してきましたが、最近は3Dプリンターというものに出会い、また3D技術との距離が近くなりました。今回は画面から飛び出すような3Dではなく、立体模型を作るための3D技術についてのお話です。

高価な偽物
各地の博物館に出かけると、展示品の説明に「複製」と書かれたものを見ることがあります。複製とは、簡単に言うと偽物なわけですが、様々な事情で本物を展示できない場合、実物をイメージするために役立ちます。大きさや重さ、色調や質感などを調整することで、一見すると本物と見分けがつかない複製もよく見掛けます。しかし、博物館で展示されるような精巧な複製品は価格が高く、場合によっては実物の市場価格より高くなってしまいます。たとえば、古銭1枚作るのに数万円かかることもありました。そこで活躍するのが3Dプリンターです。

レプリカ革命
3Dプリンターとは、実物のデータをもとに樹脂や石膏を素材として立体物を印刷する機械のことです。ここ数年の3Dプリンターの急速な普及によって、低予算で複製品が作れるようになり、3D技術が急速に身近なものとなりました。
私もこの流れに乗り、iphoneの光で樹脂を固める3Dプリンターを購入したのですが、上手くプリントできずに苦戦していました。そうこうしてるうちに、民間の3Dプリントサービスが低価格で提供されるようになったので、早速試してみました。

実際に作ってみた
プリントするのは当館に収蔵されているヒグマを模した考古資料(約5 cm)です。札幌の企業に依頼したところ、石膏フルカラーで2,500円という価格でした。出来栄えは写真のとおりで、この価格で色や形がそのままの複製品が得られるなら大満足です。この複製品を種にシリコンで型を取れば量産も可能であり、学校の授業や講座で触れてもらうことも可能です。
ただし、素材によっては精度や質感に差があり、熱や水に弱いという性質もあるので、事前によく調べてから依頼するのがポイントです。皆さんなら何をプリントしますか?

タンネウシ6月号(表面)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タンネウシ6月号(裏面)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横山

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